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  • 椎間板ヘルニアの再発が交通事故の後遺障害として認められた事例
  • 椎間板ヘルニアの再発が交通事故の後遺障害として認められた事例
    ほっかい法律事務所
    大崎 康二

    過去に椎間板ヘルニアの既往歴があった場合、交通事故によってヘルニアが再発するケースがあります。

    このような場合は、保険会社により腰椎椎間板ヘルニアの症状が交通事故によって再発したという因果関係を否定されることも多いです。

    「諦めるしかないのか」と思うかもしれませんが、場合によっては後遺障害として認められ、適切な賠償金を受け取ることができます。

    今回は、交通事故によってヘルニアが再発したケースで、交通事故の後遺障害として認められた事例をいくつかご紹介します。

    【事例1】民事訴訟により非該当から12級になった事例

    このケースは、交通事故によって腰椎椎間板ヘルニアを発症した方の裁判でほぼ勝訴に等しい内容の和解をすることができたケースです。

    交通事故によるヘルニアの再発

    このケースでは、交通事故によって下半身の痺れや痛みといった腰椎椎間板ヘルニアの症状が発症し、症状固定後のその症状が残りました。

    その結果、被害者は交通事故後に十分に働くことが出来なくなり、会社を退職せざるを得なくなったという事情があり、経済的には甚大な被害が生じたケースでした。

    このケースでは、交通事故の数年前に同じ部位の腰椎椎間板ヘルニアの手術歴があったのですが、ヘルニアの治療は終了し、その後はまったく症状が出ていなかったのですから、一度治癒していたヘルニアが交通事故によって再発したものであり、理屈上は後遺障害等級12級として扱ってよいはずです(もっとも、ヘルニアの既往歴があるため、賠償額は減額されます)。

    保険会社の対応は低額の示談金提示のみ

    腰椎椎間板ヘルニアの既往歴があったことから、相手の保険会社は、腰椎椎間板ヘルニアの症状が交通事故によって生じたということ(因果関係)を否定し、事故による後遺障害は存在しないとして、低額の示談金しか提示してきておりませんでした。

    椎間板ヘルニアについては、後遺障害等級を認定する自賠責保険の対応が非常に消極的であり、このケースのように事故との因果関係を否定して後遺障害として認めなかったり、後遺障害と認めても14級という最も軽微な後遺障害としか認めたりしないことが多いのが現実です。

    そのため、椎間板ヘルニアが問題となるケースでは、適切な解決を得るために民事訴訟の提起が必要となるケースが多く、今回のケースも訴訟を提起して、その中で交通事故と腰椎椎間板ヘルニアの因果関係が認められること、後遺障害等級としては12級に相当することを訴えました。

    民事訴訟により12級前提での和解成立

    この裁判は医学論争も必要となる裁判でしたが、裁判所にはこちらの主張がほぼ受け入れられ、その結果、今回の椎間板ヘルニアの後遺障害等級を12級と扱うことを前提とする和解を成立させることができました。

    【事例2】民事訴訟により、椎間板ヘルニアの再発が交通事故によるものと認められた事例

    保険会社は早期に治療打ち切り

    このケースは、以前に発生していた第1事故により頚椎椎間板ヘルニアの後遺障害認定を受けていたという事情があったため、その9年後に発生した今回の交通事故については保険会社は治療をわずか1ヶ月で打ち切るという対応に出てきていました。

    しかし、実際には9年前の事故による椎間板ヘルニアの症状は回復しており、通院治療も終えていた中で今回の事故が発生し、椎間板ヘルニアの症状を再発させたという事情がありました。

    このケースでは、9年前の事故によって発生していた椎間板ヘルニアの影響は無視できないものの、症状の再発は明らかに今回の事故によるものであるので、交通事故と椎間板ヘルニアの再発には因果関係が認められ、12級相当の後遺障害を負ったと評価すべきです。

    民事訴訟により因果関係を認める和解成立

    このケースは、保険会社との交渉で解決する余地はないと考えておりましたので、当初から訴訟提起を行いました。

    裁判の場では、保険会社は、交通事故と椎間板ヘルニアとの因果関係を否定するために、保険会社の顧問医の意見書を提出するなど、徹底抗戦の対応を取ってきました。

    私たちは過去の医療記録などから今回の事故の時点では椎間板ヘルニアは軽快した状態であったという事実を丁寧に拾うことで、反論していき、最終的には、今回の事故と椎間板ヘルニアの因果関係を認める和解を成立させることができました。

    9年前の事故によって発生していた椎間板ヘルニアの影響は否定できないため、その分の減額がされましたが、それは想定内のことで、ほぼ満足のできる解決をすることができました。

    まとめ

    交通事故によって腰部や頚部の椎間板ヘルニアを発症される方の中には、適切な後遺障害等級を得られずお困りの方も多いと思いますが、今回のケースのようにやり方によっては、適切な賠償金を受け取ることができます。

    ほっかい法律事務所では、後遺障害等級認定の異議申立てにも積極的に取り組んでいます。当初の認定結果を見ただけで諦めず、是非一度ご相談ください。

     

    事故と後遺障害の因果関係の問題を含む交通事故損害賠償の問題については当事務所の交通事故無料相談にてご相談ください。